GDPが分かる
景気の良し悪し
・景気がいい:GDPが速いスピードで増えている
・景気が悪い:GDPが増えるスピードが遅い、または減少している
GDPの三面等価
GDPは、以下の3つの面を同時に測ることができる。すべて同額となる
・生産面GDP:その国の生産(サービス供給含む)の規模
・支出面GDP:その国の支出規模
・分配面GDP:その国の所得の規模
生産面GDP
・国内の各産業が一定期間(例:一年間)に稼ぎ出した付加価値の合計
・政府も9.8%の付加価値を稼ぎ出している
・各企業・政府の付加価値は売上高の総計ではなく、他者から何らかの製品・サービスの供給を受けたとき、その上に自社が積み上げた付加価値のみがGDPとしてカウントされる
・資源の輸入など、外国企業の付加価値は控除される
支出面GDP
最終生産財の販売価格から、輸入という外国企業の付加価値を差し引いたもの
・民間最終消費支出:民間の家計の消費(個人消費)
・民間住宅:家計や企業など民間の住宅投資
・民間企業設備:企業の設備投資
・在庫変動:民間および政府の在庫品の変動。最終的に販売されなくても、在庫が増えればGDPの押し上げ要因になる
・政府最終消費支出:医療費・介護費の政府負担分や、公務員給与の支払い
・公的固定資本形成:公共投資総額から土地の購入費用を差し引いたもの
・純輸出:財・サービスの輸出から、財・サービスの輸入を差し引いたもの
分配面GDP
家計・企業・政府に分配された付加価値は、消費として支出されるか、貯蓄される。分配された所得としてGDPを細分化したものを分配面GDPと呼ぶ
・雇用者報酬:企業の従業員が得た報酬
・営業余剰:企業の手元に残った付加価値
・固定資本減耗:過去の投資の減価償却費
・生産・輸入品に課される税:政府に分配された付加価値
・(控除)補助金:政府から民間に戻された付加価値
バリューチェーンとは
製品やサービスが最終的に供給されるまでの価値の連鎖(付加価値の積み上げ)
福祉は天から降ってこない
成長か福祉か、という二者択一はありえない。生産面GDPが拡大することで所得として分配される分配面GDPも増えるのであり、福祉を拡大するには、GDPを拡大させる経済成長以外に道はない
GDP統計の2種
・名目GDP:GDPを金額そのもので集計した指標
・実質GDP:名目GDPから物価変動の影響を控除したもの
名目GDPと実質GDPの理想
「名目GDP成長率 > 実質GDP成長率」という関係を保ちながら、共に健全に成長していくこと
GNI
Gross National Income。GDPに「外国からの日本の所得」を加え、「外国の日本からの所得」を差し引いた指標
経常収支とは
「貿易収支」「サービス収支」「所得収支」「経常移転収支」の合計
支出面GDP = 消費 + 投資 + 貿易・収支サービス
世界の経常収支黒字国・赤字国トップ10(2010年)
黒字国
1.中国
2.日本
3.ドイツ
4.スイス
5.ロシア
6.オランダ
7.ノルウェー
8.シンガポール
9.クウェート
10.台湾
赤字国
1.アメリカ
2.イタリア
3.スペイン
4.イギリス
5.フランス
6.インド
7.トルコ
8.カナダ
9.ブラジル
10.ギリシャ
黒字の好循環
所得収支黒字の巨額化
↓
経常収支の黒字
↓
対外純資産の増加
↓
☆繰り返し